土地や建物を借りている場合に、その賃料を滞納すると以下のような事態に陥ります。
■履行請求
当然のことではありますが、支払期限までに賃料を支払なかった場合には、賃貸人から改めて支払請求がなされます。
■契約解除
民法上、支払期限を徒過した後に、賃貸人が催告し、相当期間が経過すれば、賃貸人は賃貸借契約を解除することができます(541条)。したがって、上記履行請求は、基本的にはこの契約解除のための催告であるため、賃借人としては、賃貸人から催告が来た場合には、賃料を支払わないと契約解除されてしまいます。
もっとも、これについては、実務上、無催告解除特約が結ばれていることが多く、この場合、原則として、一度の家賃滞納で、直ちに(催告なく)契約を解除することができます(もっとも、いわゆる信頼関係破壊の法理による例外あり)。
■敷金から差し引き、強制執行
賃借人がある程度長期に渡って賃料を滞納した場合、賃貸人としては、賃貸借契約を解除するのが通常ですが、このとき、未払い賃料は賃借人が契約時に差し入れた敷金から差し引かれます。そのため、賃料滞納によって契約解除された場合、敷金が全部ないしは一部返ってこないことがあります。
また、敷金の充当では未払い賃料債権が満足されない場合には、賃貸人としては、訴訟提起した上で、賃借人の財産に強制執行を行うことも考えられます。
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家賃滞納
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