製造物責任とは、製造物に存する欠陥によって、その使用者が生命・身体・財産に損害を被った際に、製造者が負う損害賠償責任のことです。
日本にも、製造物責任法という法律があります。近年の世界的な傾向として、製造者に過失がなかったとしても、その製造物に瑕疵があり、それによって損害が生じれば製造者は責任を負う、無過失責任という考え方がとられるようになってきており、日本の製造物責任法にもこの考え方が採用されています。
日本国内における取引であれば、この法律が適用されますが、国際取引となると、まずはどの国の法律が適用されるのか、を考えなければなりません。
世界各国には、国際私法という法律が定められており、ある国際的な法律関係について、どこの国の法律を適用すべきかを定めたものです。日本の法律の中で国際私法にあたるのは、「法の適用に関する通則法」という法律で、その18条には生産物責任についての定めがあります。
それによれば、生産物責任については、原則として被害者が生産物の引き渡しを受けた地の法によるとされています。
しかし、生産業者にとってその地で生産物が引き渡されることが予見できない場合もあります。例えば、予定していた流通経路を外れて別の国に生産物が届いてしまい、そこで流通した場合等です。そのような場合には、その事業者の主たる事務所がある地の法によるとされています。
もっとも、この規定によって決まった法律よりも、より適切な国の法律があるのであれば、それを適用することができます(通則法20条)。
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国際取引と製造物責任訴訟(PL)
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