遺言というものは、被相続人による「生前最期の意思表明」ということができます。
では成年被後見人のように事理を弁識する能力の欠けた人は遺言作成ができないのでしょうか。
前提として、成年後見人が代わりに遺言を作成することはできません。これは、遺言の性質上いかに後見人といえども代わりのきく手続きではないからです。
成年被後見人が遺言を作成するには様々な要件があります。
まず、事理弁識能力を一時的に回復していること。
次に、医師2人以上の立会いがあること
そして、医師は成年被後見人が事理弁識能力を欠く状態になかった旨を付記し、署名押印することで遺言は作成できます。
あまり早いうちに遺言を残すことは、亡くなったときの財産状況を正確に反映することができないため忍ばれますが、あまり先延ばしにしすぎると事理弁識能力を欠く情況になってしまうこともあるというジレンマがあります。
この制度が残されていることで、もし成年後見が始まってしまった場合にも遺言ができることがあります。
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