■夫や妻の借金を理由に離婚できるか?
夫や妻の借金を理由として離婚を考えたとき、協議離婚、いわゆる話し合いによって離婚が成立させられるのであれば問題はありません。
しかしながら、配偶者が離婚について同意しなかったり、暴行や虐待(DV)が行われていたりする場合には協議離婚が難しい場合があります。
そうしたときには、調停離婚、裁判離婚といった法的に離婚を認めてもらう離婚方法を選択しなくてはなりません。
そして、法律上離婚が認められる場合は限定されています。
具体的に民法では、以下のように規定されています。
〇配偶者に不貞な行為があったとき
不貞な行為とは、配偶者以外と肉体関係を持つことであり、いわゆる不倫をいいます。
〇配偶者から悪意で遺棄されたとき
〇配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
〇配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
〇その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
婚姻を継続しがたい重大な事由とは、①婚姻の当事者双方が婚姻を継続する意思がないことと,②婚姻共同生活の修復が著しく困難であることのいずれかをいいます。
そして、この「婚姻を継続しがたい重大な事由」が認められるケースとして、就労能力があるにもかかわらず働かず、浪費や借金をしていたりする場合が含まれます。
そのため、証拠に基づく主張が認められれば、夫や妻の借金を理由として、法律上離婚をすることは可能です。
■借金の財産分与への影響は?
配偶者の借金が、離婚する際の財産分与へ影響をもたらすのではないかとご不安な方もいらっしゃるかと存じます。
しかしながら、借金を理由に離婚しているようなケースでは、影響が及ぶことは少ないといえます。
財産分与の対象となるのは、夫婦の共有財産と夫婦の共同生活のために負った借金に限定されます。
具体例としては、家族で使う車や不動産のローンなどがあげられます。
これに対し、ギャンブルに使用するためや、個人的な買い物をするためにした借金は財産分与の対象となり得ません。
借金を理由に離婚が認められるのは、配偶者が金銭を自分のためだけに浪費し、働かないといった場合ですから、こうした借金が財産分与の対象となる可能性は低いと考えられます。
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夫や妻の借金を理由に離婚できる?財産分与への影響は?
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